- 旅行
- 2022/02/01
ロシアの水事情(水道水・断水・飲料水)を現地在住の日本人がリポート!!
- ロシアの水事情について知りたい方
- 留学・転勤でロシアに住んでいる(予定)がある方
- 旅行でロシアを訪れる予定の方
ロシアの水(水道水・飲料水)は、硬水が一般的です。
この記事では、そんな「ロシアの水事情」について紹介します。
ロシアで生活してる日本人が、実際に暮らして分かった「ロシアの水道水事情」や「硬水で困ること」「飲料水の確保方法」などを写真付きで詳しく説明しています。
また、ロシアのスーパーやレストランで使える「水に関連したロシア語」も一緒に紹介しています。
ぜひ、留学・転勤等でロシアで暮らす予定のある方やロシア旅行を考えている方の参考にしてください!!
ロシアの水は「硬水」
ロシアの水道水は「硬水」です。
- カルシウムやマグネシウムが多く含まれる水のこと
- 炭酸カルシウムの含有量が120mg/ℓ以上の水を指す(それ以下は軟水)
- ヨーロッパ地域では、「硬水」が一般的
例えば、日本でも販売されているエビアン (Evian)やペリエ(Perrier)といったミネラルウォーターは硬水です。
極東のウラジオストクなどのアジアに近い地域は、軟水の場所もありますが、多くの人が暮らすモスクワなどの地域は硬水となっています。
日本の水は「軟水」です!
「硬水」の水だと困ること
水道水が「硬水」に住むと、以下のようなことに悩まされます。
- 洋服が傷みやすい
- 水垢が大量発生
- シャンプーが泡立ちにくい
洋服が傷みやすい
ロシアの水(硬水)で洗濯すると、以下のような3つの問題点があります。
- 洋服が傷みやすい
- 汚れが落ちくい
- 色が変わりやすい
実際に、ロシアで白色のTシャツを何も気をつけずに洗濯し続けるとこうなります。
白色のTシャツの色が、完全にグレーになっています。
原因は簡単で、洗濯に使った水が「硬水」だからです。
- 洗剤に含まれる汚れを落とす成分(界面活性剤)が硬水に多く含まれるカルシウムやミネラルと結びつき、洗浄力が低下し「石鹸カス」が発生する。
- この「石鹸カス」が、洋服をゴアゴアさせたり、色が変化する原因になる。
硬水では、このカルシウムやミネラルが多く含まれているため、軟水で洗濯する時よりも洋服が傷みやすくなります。
そのため、ロシアで洗濯をする時には注意が必要です。
水垢が大量発生
洗面所やキッチンなど水周りは、すぐに水垢が付きやすいです。
これも、水道水に含まれるミネラルに原因があります。
水は蒸発すると気化してなくなりますが、ミネラル分は蒸発せず水垢としてそのまま残ります。
硬水では水の中に含まれるミネラルの量が多いため、水垢として残りやすいのです。
実際に、私が住んでいるアパートのお風呂の蛇口は1ヶ月掃除をしないと、すぐに水垢でいっぱいになってしまいます。
水垢汚れを落とすには、「お酢」が効果的です。
ロシア語でお酢はУксус(ウークスス)と言います!
スポンジや雑巾にお酢を含ませて、軽くゴシゴシするだけで水垢がよく落ちます。
水垢汚れには、お酢のほかにも「クエン酸」や「重曹」もオススメです。
シャンプーが泡立ちにくい
シャンプーは、泡立ちにくいです。
原因は、もちろん「硬水」にあります。
洗濯用洗剤と同様に、シャンプーにも含まれている界面活性剤(汚れを落とす成分)は「泡立ち」にも関係しています。
この界面活性剤が硬水に多く含まれるカルシウムやミネラルと結びつき、シャンプーが泡立ちを邪魔してしまうのです。
水に含まれるカルシウムやミネラルの量が多い(硬度が高い)ほど、泡立ちは悪くなります。
特に日本のシャンプーは「軟水用」に商品開発されていています。
そのため「硬水」の水で日本のシャンプーを使うと、より一層泡立ちにくいです。
この問題は、現地のシャンプーを購入することで解決します。
現地のシャンプーは、現地の水に合わせて成分が調整されているからです。
ロシアの水道水事情
具体的なロシアの水道水事情が分かる、以下の4つについて紹介します。
- 蛇口をひねるとすぐにお湯が出る
- 水が茶色い
- 断水がよく起こる
- 水道水の水は飲めない
蛇口をひねるとすぐにお湯が出る
ロシアでは、蛇口をひねるとすぐにお湯が出てきます。
なぜなら、工場で沸かされた「熱湯」が水道管の中を通って直接送られるからです。
通常の水道管に加えて、熱湯を送るための水道管の2種類が通っています。
そのため、水道管もメーターも2つずつです。
工場から送られてくる熱湯の温度は約60〜75度となっています。
そのままでは、火傷するくらい熱いです。
なので、お湯を使う時は水を混ぜて温度を調節しています。
ですが、この温度調節が難しく、蛇口を数ミリひねるだけで水の温度に急激に変わってしまいます。
シャワーを浴びる前には、いつも蛇口と格闘してます。
工場から送られてくる熱湯は、ロシアの住宅にある暖房器具(батарея)にも利用されています。
パイプの中をお湯が通ることで部屋を暖める仕組みとなっています。
常に暖房がついているのと同じ状態で、冬場でもTシャツで過ごすことができます。
水が茶色い
水道水は茶色いです。
常に茶色いワケではないですが、「何か水が濁っているな」と思うことがよくあります。
水が茶色くなる原因は、水道水の内側に付いたサビや汚れです。
ロシアでは、古い水道管がそのまま使われている場合が多く、水道管の劣化によって発生したサビが水を濁らせています。
また築年数の古い建物も多く、水道設備が老朽化していることもよくあるそうです。
ましてやお湯が水道管の中を通っているので、劣化のスピードは早いでしょうね。
濁り具合は日によって差がありますが、特に断水後は色が濃いです。
実際に、私が暮らしているロシアのアパートの断水後はこのくらい水が濁ります。
そのため、長期で家を空けた場合などは水を流して、水道管の中に溜まったサビなどの汚れを出しています。
断水がよく起こる
断水は、ロシアでよく起こります。
工事や近くで水道管に穴が空いたなど、理由は様々です。
水、お湯のどちらか(もしくは両方)が出ないということがよくあります。
私の体感では、1ヶ月に1〜2回くらいあります。
また夏の時期が近づくと、1週間ほどの温水の供給が止まります。
これは、水道管の点検や切替工事のためです。
お湯が使えない時は、家庭用湯沸かし器(ボイラー)を使ってお湯を沸かしています。
もちろん工事後は、水道の水は濁ります。
水道水の水は飲めない
ロシアの水道水は飲めません。
理由は簡単で、水が「茶色い」からです。
水が茶色い理由は先ほど紹介しましたが、この水を毎日の食事で使おうとは中々思えません。
実際に、水道水を飲んでみると血のような「鉄分の味」がします。
私の場合は、飲料水はミネラルウォーターを購入しています。
ただ、毎回ミネラルウォーターを利用するのも金銭的に負担がかかります。
そのため、下記のように場合によって「水道水」と「ミネラルウォーター」を使い分けています。
- 卵、マカロニ、じゃがいも等を茹でる時
- 歯磨き
- お米を炊く時
- スープを作る時
- 紅茶や緑茶をいれる時
現地ロシアで暮らす人々の飲料水の手に入れ方:4選
水道水が飲めないロシアで暮らす人々は、どのようにして飲料水(ミネラルウォーター)を確保しているのでしょうか?
それは主に、以下の4つの方法です。
- 水道水を浄水する
- スーパーで購入
- 水の自動販売機で購入
- 水の宅配サービスを利用する
水道水を浄水する
1つ目は、水道水を浄水する方法です。
浄水機能付きの水差し(ピッチャー)や蛇口に浄水器を設置して浄水します。
トリムミズラボ浄水器とは、水道水に含まれる残留塩素や、通常の処理工程で除去しきれなかったり、水道管の劣化などによって生じたりした不純物を除去するための機器です。
実際に、ロシアの大手通販サイト「OZON」やスーパーでは、浄水機能付きの水差し(ピッチャー)が多く販売されています。
定期的にフィルターを交換する費用がかかりますが、一番手間のかからない方法です。
また、アパートやマンションによっては、浄水器が標準設備として付いている物件もあります。
スーパーで購入
2つ目は、スーパーマーケットで飲料水(ミネラルウォーター)を買う方法です。
メリットは、以下のような点があります。
- 様々なサイズの飲料水を選ぶことができる
- 持ち運びに便利な500mlサイズが手に入る
- 炭酸水も買える
写真は、ロシアの「スーパーマーケットの飲料水コーナー」です。
写真からも分かるように、様々なサイズの飲料水を販売されています。
私自身も「持ち運び用の小さいペットボトル」が必要な時に、よくスーパーマーケットで水を買っています。
水の自動販売機で購入
水の自動販売機で購入する方法です。
ロシアの街中(特に住宅街)には、写真のような「水の自動販売機」が多く設置されています。
24時間いつでも購入することができます。
私自身、いつも家の近くの自動販売機で水を購入しています。
毎回、スーパーで購入した5Lの空ペットボトルを4本持って水を汲んでいます。
よく利用している自動販売機の水の価格は、以下のようになっています。
自動販売機での水の価格(参考)
- 5L:25ルーブル(≒37.5円)
- 19L:80ルーブル(≒120円)
※1ルーブル≒1.5円で計算
2週間に一度、この19Lの水を家まで運ぶのは大変です。
ですがスーパーで水を購入するよりお得なので、この方法を選んでいます。
水の宅配サービスを利用する
水の宅配サービスを利用する方法です。
持ち運びが難しい大きいサイズの飲料水を購入でき、自宅や職場まで直接、水を運んでくれます。
もちろん、小さいサイズの水も宅配してくれます!!
実際に、ロシアのバレエ学校の留学中に暮らしていた寮では、週に1回、19Lボトル入りの飲料水が大量に運ばれていました。
ロシアでは、飲料水を購入する人が多く、水の宅配サービスをしてくれる業者がたくさんあります。
例えば、モスクワでは以下のような業者が水の宅配サービスを行っています。
水を買うために外に出かけることなく、重い水を持ってきてくれるので楽チンです。
家族が多い場合など、水を多く消費する場合は宅配サービスがとても便利です。
ロシア旅行時の飲み水はスーパーで買おう!
旅行でロシアを訪れる場合は、スーパーマーケットで飲料水を購入するのがオススメです。
理由は簡単で、「水道水が飲めない」からです。
また、スーパーをオススメするのは、持ち運びに便利な500mlサイズの水が買えるからです。
500mlのペットボトルの水の価格は、20〜50ルーブルくらいです。
ホテルによっては、ペットボトルの水(500ml)が用意してあったり、ウォーターサーバーが設置されている場合もあります。
スーパーマーケットでは、同じコーナーに炭酸水が置かれていることも多いです。
炭酸水かどうかを見分けるには、下記のロシア語を参考にペットボトルのラベルの表記を確認してください。
- Вода(バダー):水
- Минеральная вода(ミネラーリナヤ バダー):ミネラルウォーター
- Газированная вода(ガジローバンナヤ バダー):炭酸水
- Негазированная вода(ニ ガジローバンナヤ バダー):炭酸抜きの水
ロシアで売られている炭酸水は、独特のクセがあります。
好みがハッキリ分かれる味のため、普通のミネラルウォーター(炭酸抜き)を購入する方が安全です。
まとめ
ロシアの水事情について、まとめてみました。
- ロシアの水は「硬水」
- 水道水は飲めない
- (断水が多いが)お湯がいつでも出る
- ロシアを旅行する時は、飲料水をスーパーで買おう
この記事を通じて、少しでもロシアに興味を持ってくれると嬉しいです。
ロシアを旅行する時には、スーパーで水を買うのを忘れないでくださいね!!